Voice of the Customer

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末富晶
 

生け花•詩•文章


著書「不登校でも大丈夫」
(岩波ジュニア新書)

うわのそらでは、時間の流れがいつもと変わる。

 

北大路にお店があった頃、青い扉をチリリンと開けた先でも、そのことを感じていたけれど。

南丹市に場所が移ってからは、その傾向はもっと強くなった。

 

電車に乗って市内を離れ、だんだんと車両の窓に緑の風景が広がる頃には、もうそれは始まっている。

 

うわのそらで過ごす時間は、私にとっては自分自身にかえる時間でもあるし、奈津子さんのプロ意識と響き合い、自分の中にもあるその「本気」の部分を改めて呼び覚ます時間でもある。

 

髪を切ってもらっている間、言葉のない静かな心地よさと共に、言葉になる以前の命の鼓動が脈々と踊る豊かさもまた同時に感じる。

 

静と動が共にうたう場所。

奈津子さんの意識と整えられた土地の意識が合わさって、髪を通し、私の命に呼応してくれる。

 

その感覚のことを、何と呼ぶかは分からない。

全く新しい、まるで未来の技術のよう。

 

うわのそらでの時空に溶け込む体験は、いつも私に新たな自分への変容の機会を与えてくれる。

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美容室「うわのそら」に通い始めてからもう十数年になります。かなもりゆうこさん(美術家)の映像作品に わたしがモデルとして関わった時に、ヘアメイクをご担当されていたのが奈津子さんでした。

 

そのような創作の現場をきっかけとして知りあい、今も髪の相談にのっていただいています。奈津子さんは若いころに世界的な舞踏家の故・大野一雄氏に師事しておられ、踊りや舞台のことをよく理解してくださり、いつも心強く思っています。

 

わたしの舞台作品でダンサーのヘアメイクを担当していただいたこともありますし、近年はわたし自身が野外や美術館などいろいろな場所でパフォーマンスをする機会が多くなり、いつも本番前には奈津子さんに季節感や作品コンセプトに合ったヘアカットをご提案いただいています。

 

これまでも自然に配慮したプロダクトを扱っておられましたが、2020年にサロンを京都市内から南丹市に移転され、自然環境と共存する美容室としてお庭の土の再生を行われたり、美容師としてお客様の心身を考える姿勢が素敵です。

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うわのそらのサイレントカットは、静けさの空間の中で行われます。

髪を切るハサミの音や鳥や虫のさえずりなど心地よい響きを感じながら、

自然と心と体を整えてくれます。

髪を切るという目的だけでなく、まさに心と体に余白を与えてくれるこれまでに

出会ったことのない美容室です。